第11章の4は加害前の空想と思考に焦点があります
第11章の4番目のテーマ「性加害の実行」、「性加害行動の最初の発生」は加害行動、とりわけ性加害の前におこる空想と思考に焦点があたります。空想は鮮明さ、激しさ、論理のゆるやかさなどを特徴としていますが、性行動を軸にみると思考と空想はより接近します。感情が結びつけているじゃないかと思います。
「相手のある性行動は思考なくしては起こらない」(p.174)というのが著者の確固たる信念だと力の込った主張です。性行動は思考とつがっている、たとえ瞬間的で衝動的に見えたとしても。”相手のある”は「相互的」と訳されることの多いinteractiveの訳です。
空想は加害に先行し、4つのパターンがあるといいます。性加害に至るのはひとつではありません。(pp.174-175)
- 最初の思考は加害ではなかった
- 怒りの行動化であった
- 犯罪前の思考はその後の犯罪などにつながる思考とは異なっていた
- 前もって考えずに短時間で行動を実行した、または行動前にあれこれ空想し行動を練った
幼少期の養育者の役割は重要です。最初の思考はおそらく自己中心的ですが、発達し個性化し、感情に気づき、次第に相手との相互的な性行動/人間関係という思考ができるようになります。養育者は共感的なやりとりを通じて、人同士のやりとり、つまり人間関係についての子どもの見方(認識)を形作っていきます。一方で、養育者はその文化のルールにそった振るまい(役割取得)と行動をコントロールします。
もしルールのない、またははっきりしない環境で成長すると、性についての感情を規範から外れた見方から処理し、圧倒的で恐ろしく理解できないものとして経験するかもしれません。
逸脱した空想があれば、思考の特異さが知られてしまい、社会から孤立することがあります。そうした性的空想によって、振り幅の大きい変化にさらされる危険があります。性的空想を想像しての優越感や興奮状態から、その空想が実現せずなにもないという状態への感情の変化、あるいは無限の万能感から底なしの絶望感までいたる極端な変化を経験するかも知れません。こうした移り変わりは不安や葛藤を生むかもしれません。加害につながる空想は自己への意識や世界観に照らして点検され、矛盾がないか調和しているかによって、いつものこと、または気分を上げるもの、あるいは厄介なものと認識されます。(p.175)
性的空想について、このようにまとめられています。
『性加害の前に起こる空想は、満たされていないニーズに対する解決策、または怒りの表現や攻撃的な思考を思い描いた代償的な思考かもしれないが人生経験の産物である』(pp.175-176)
経験から空想が生じ行動が生み出されるとすれば、加害行動を阻止するか許容するかはこれまでの経験をどのようにとらえるかにかかっています。過去に被害経験があれば、そこに織り込まれる可能性もあります。
デジタルサックスYDS150を使い始めました。これまでのアルトサックス、Selmer 80 Ⅱとは随分違います。呼気をコントロールして音を作り出すという面白みはデジタルサックスにはありません。見た目はソプラノサックスに似ていますが、ソプラノ、アルト、テナーだけでなく、なかなかの音色のバリトンサックスの音源も内蔵しています。各楽器にあわせてキーが設定されていますがアプリのYDS Controllerで変更できます。キー配列はこれまでのサックスと同じですが、キー操作は軽く、位置や幅が微妙に異なります。楽器音や振動が身体に直接響くことはなく、ほぼ別の楽器です。自動的にビブラートがかかるのにちょっとびっくり。前回お伝えしたNu:Tektヘッドフオンアンプはこの楽器のモニターに使います。
クリシャン・ハンセン , ティモシー・カーン(著) 本多隆司・伊庭千惠(監訳)(2015) 『性問題行動のある知的障害者のための 16 ステップ― 「フットプリント」心理教育ワー クブック 第 2 版』明石書店 (Hansen, K. & Kahn, T. J.(2012). Footprints: Steps to a Healthy Life. Second Edition. Safer Society Foundation, Inc.)
(タカシホンダ)


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